ゴルフ練習場の閉鎖が止まらない理由とは?屋外打ちっぱなしが消えていく背景と今後の行方

- 屋外ゴルフ練習場の閉鎖が需要の消滅を意味しない理由
屋外施設数の減少だけで、ゴルフの練習需要そのものが消えているとは判断できません。施設数の変化と閉鎖の背景を分けて読み解きます。
- 屋外型とインドア型で異なる土地・設備・運営条件
屋外型は広い土地と大型設備、インドア型は商圏内の需要と予約枠が収支を左右します。両者の事業条件を比較します。
- 閉鎖傾向を開業判断に生かす3つの視点
競合と代替施設、利用時間帯と練習目的、保守的な収支を確認し、候補地に合う業態を見極めます。
屋外の打ちっぱなしが閉鎖しているという情報を見て、「ゴルフ市場そのものが縮小しているのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし、練習場の閉鎖には、利用者数だけでなく、広い土地の確保、設備の維持、天候による営業上の制約などが関係します。
結論からいえば、屋外練習場の減少だけで、ゴルフの練習需要まで消えているとは判断できません。開業を検討する際は、施設数の増減だけで参入の可否を決めず、自社の商圏で「誰が、いつ、どのように練習したいか」を確かめましょう。


\開業前にまず知りたい方へ/
インドアゴルフ開業ガイド資料
市場動向から無人運営・機種選びまで、
開業前に知っておきたいポイントをまとめました。
ゴルフ練習場が閉鎖する理由は需要の減少だけではない
練習場の閉鎖傾向を開業判断へ生かすには、まず「施設数の変化」と「閉鎖につながりやすい事業条件」を分けて考えましょう。統計からわかるのは施設の増減であり、個々の閉鎖理由まで一律に説明できるわけではありません。
屋外型は減少、インドア型は増加している
全日本ゴルフ練習場連盟が公表した2025年度の全国練習場施設数調査では、2026年1月30日時点の「屋外型施設」は2,259施設で、前年から41施設減少しました。一方、「インドア施設」は2,541施設で、前年から1,029施設増加しています。
ただし、同連盟は2025年度から調査方法を変更したため、インドア施設数の前年対比に大きな差異が生じたと注記しています。したがって、インドア施設の増加幅を、そのまま1年間の純増数として扱うことはできません。
施設数の調査から読み取れるのは、屋外型の減少と練習場所の多様化です。閉鎖の理由や自社の商圏需要は、別の情報で確認する必要があります。
閉鎖の背景は土地・設備・運営条件の重なりにある

屋外練習場は、打席だけでなく、打球方向に広がる敷地、防球ネット、支柱、照明、ボール回収設備などを維持しなければなりません。広い土地を使うため、事業を続ける場合の収益と、土地を他用途に転用する場合の価値が比較されやすい特徴があります。広い土地は、近年需要が急増している物流倉庫や大型商業施設、戸建て住宅地、介護施設への転用価値が非常に高くなっています。オーナーにとって『リスクを取って老朽化した防球ネットを数千万円かけて直す』よりも、『土地を売却・賃貸して安定収入を得る』方が合理的という経営判断が、閉鎖のリアルな裏側です。
また、防球ネットや支柱は安全に関わるため、老朽化しても更新を先送りし続けることはできません。天候で来場者数や営業時間が変わる一方、土地・設備・人員にかかる固定的な支出は残ります。
| 構造条件 | 閉鎖判断へ影響しやすい理由 |
|---|---|
| 土地 | 広い敷地が必要で、他用途との比較が生じやすい |
| 設備 | 防球ネット・支柱・照明などの点検と更新が必要 |
| 運営 | 天候や時間帯で利用が変動しても固定的な支出が残る |
| 利用行動 | 短時間利用や駅近など、選ばれる条件が地域で異なる |
つまり、閉鎖は「ゴルフをする人がいなくなった」という一つの理由ではなく、その土地と設備で屋外型を続ける条件が合わなくなった結果として捉えるべきです。
OK ON GOLF導入支援チーム屋外練習場が閉鎖した跡地を見て、「この地域はゴルフ需要がなくなった」と判断するのは早いです。
実際には、常連客が別の大型練習場まで車で通うようになったり、近くのインドアへ移ったりしていることがあります。閉鎖した場所を見るより、その利用者が今どこで練習しているかを追った方が、地域の需要はよく見えます。


\開業前にまず知りたい方へ/
インドアゴルフ開業ガイド資料
ここまでの内容を含め、開業準備の流れや必要設備、
収益モデルなどをまとめています。
屋外型とインドア型では事業条件が異なる
屋外練習場の減少は、インドアゴルフなら自動的に成功するという意味ではありません。両者は同じ練習需要を扱っていても、必要な立地、顧客が求める体験、費用の発生箇所が異なります。



屋外練習場とインドアゴルフは、どちらもボールを打つ場所ですが、選ばれる理由はかなり違います。
屋外では実際の弾道や開放感、インドアでは近さや短時間利用、データを見ながら練習できることが重視されます。屋外が減ったからといって、その利用者がそのままインドアへ来るとは限りません。別のサービスとして考えた方が現実に近いです。
屋外型は広い土地と実球の弾道体験が前提になる
屋外型の強みは、実際の弾道や飛距離を目で確認しやすく、複数の利用者を同時に受け入れられることです。車で来場しやすい郊外や、十分な敷地を確保できる地域では、この体験自体が選ばれる理由になります。
一方で、敷地面積、防球設備、騒音や場外飛球への対策、天候の影響を考える必要があります。候補地を確保できても、設備を安全に維持する費用まで賄える収支かを確認しなければなりません。
屋外型は「土地を確保できるか」だけではなく、将来の更新費用と運営負担を含めて継続できるかが判断の軸です。
インドア型は通いやすさと商圏内の需要が重要になる
インドア型は屋外型より小さな区画でも検討しやすく、天候に左右されず営業時間を設定できます。駅や住宅地の近くで、仕事帰りや短時間の練習需要を取り込める点も特徴です。
ただし、打席数が限られるため、会員数が増えても希望時間に予約できなければ、退会につながるおそれがあります。反対に、広い物件や高額な機器を先にそろえても、商圏内の需要が足りなければ家賃や設備費を回収できません。
| 比較項目 | 屋外型 | インドア型 |
|---|---|---|
| 主な立地 | 広い敷地を確保しやすい郊外 | 駅周辺・住宅地・生活動線上 |
| 利用価値 | 実球の弾道・飛距離を確認しやすい | 天候を問わず短時間で練習しやすい |
| 設備負担 | 防球ネット・支柱・照明など | シミュレーター・内装・空調など |
| 収容の考え方 | 多数の打席を同時運用しやすい | 限られた予約枠を効率よく使う |
| 主な確認点 | 土地と大型設備を維持できるか | 会員数と予約枠が両立するか |
閉鎖が多い業態を避けるのではなく、自社の立地と顧客に合う業態を選ぶことが重要です。
閉鎖傾向を開業判断に生かす3つの視点


開業前に見るべきなのは、全国の施設数だけではありません。候補地の周辺で、既存施設がどのように使われ、どの需要が満たされていないかを順に確認するべきです。
商圏内の競合を屋外・インドアの両方で調べる
競合調査を行う際は、自店と同じインドア施設だけではなく、屋外練習場、ゴルフスクール、併設型の練習施設まで確認します。施設数に加えて、営業時間、料金、打席数、予約の取りやすさ、レッスンの有無を並べましょう。
近隣の屋外練習場が閉鎖していても、その利用者が遠方の大型施設へ移ったのか、駅近のインドアへ移ったのかでは、参入機会が異なります。閉鎖施設の跡地だけでなく、利用者の移動先まで見ることが大切です。閉鎖された屋外練習場のクチコミやSNSで「これからどこで練習しよう」と嘆いている地元の人の声を拾ったり、近隣の生き残っている練習場やインドア施設へ実際に足を運び、駐車場や打席の埋まり方を曜日・時間帯別に見るなどで、利用者の移動先を調べられるでしょう。



競合調査では、店舗数や料金表を見るだけでは足りません。予約サイトを何日か見て、平日夜や休日に実際どれくらい埋まっているかを確認した方が早いです。
店舗数が多くても予約が取れない地域なら需要が残っている可能性がありますし、きれいな店舗が何軒あっても予約枠が空いたままなら、見た目ほど市場は強くありません。現地を見るなら、空いている平日昼より、混むはずの時間帯を見るべきです。
「競合が少ない=需要がある」とは限りません。競合不在が商機なのか、そもそも需要が薄いのかを分けて確認しましょう。
利用時間帯と練習目的を確かめる
同じゴルファーでも、仕事帰りに30分だけ練習したい人と、休日に実際の弾道を見ながら打ち込みたい人では選ぶ施設が違います。候補地周辺の居住者と勤務者を分け、さらに車で来場できる範囲を確認したうえで、平日昼・平日夜・休日の需要を想定します。
アンケートや体験会を行う場合も、「ゴルフに興味があるか」ではなく、希望時間、利用頻度、移動手段、必要な設備、支払える料金を聞くと、事業計画へ反映しやすくなります。
人口の多さではなく、利用条件が合う人が継続して通えるかまで確認することが必要です。
候補となる業態を保守的な収支で比較する
最後に、屋外型とインドア型を同じ売上予測で比べるのではなく、それぞれの収益構造に合わせて試算します。屋外型は天候や季節による来場変動、インドア型は会員数と予約枠の上限を織り込みましょう。
屋外・インドアを分けず、商圏内で利用できる練習場所を洗い出します。
時間帯、アクセス、練習目的、料金のうち、どの条件が満たされていないかを確認します。
想定より集客が弱い場合でも固定費を賄えるかを、業態別に試算します。
この3つの視点で検証すれば、「危険だから参入しない」「インドアなら伸びる」といった単純な結論を避け、自社の候補地に合う事業かどうかを判断できます。



(独自性を担保する情報を入れていただく想定箇所です。)


\開業前にまず知りたい方へ/
インドアゴルフ開業ガイド資料
ここまでの内容を含め、開業準備の流れや必要設備、
収益モデルなどをまとめています。
よくある質問
- 屋外ゴルフ練習場の閉鎖は今後も続きますか?
施設ごとの土地、設備、運営条件が異なるため、一律には判断できません。全国の施設数だけで予測せず、開業候補地では既存施設の営業状況と利用者の移動先を確認しましょう。
- 近隣の屋外練習場が閉鎖した地域はインドア開業の好機ですか?
閉鎖しただけでは好機と断定できません。利用者が別施設へ移ったのか、地域の練習需要自体が弱いのかを調べ、希望時間・料金・移動手段が自社の計画と合うかを確認する必要があります。
- 屋外型とインドア型はどちらが開業しやすいですか?
一般にインドア型は必要面積を抑えやすい一方、限られた打席と予約枠で固定費を回収する設計が必要です。土地、商圏需要、顧客の利用目的、維持費を同じ比較表で整理しましょう。
- インドア施設数が増えていれば参入余地も大きいですか?
全国の施設数と個別商圏の参入余地は別です。調査方法の変更で前年と単純比較できない場合もあるため、候補地周辺の競合、利用時間帯、予約状況、料金を確認して判断しましょう。
まとめ
屋外ゴルフ練習場の閉鎖は、ゴルフ需要の消滅だけでは説明できません。広い土地、大型設備、天候の影響を受ける運営など、屋外型特有の事業条件が重なっています。
一方、インドア型は、商圏内の需要に対して、会員数、予約枠、家賃、設備費のバランスを取る必要があります。閉鎖件数だけで業態を選ばず、利用者の移動先と満たされていない需要を確認してから収支を比べましょう。











